金沢のお盆~旧盆・新盆~

2019.07.09 / コラム

旧盆と新盆

 

お盆には新盆と旧盆があるのは

何となくご存知の方も多いとは思いますが

お盆の由来はご存知でしょうか?

 

石川県の中でも独特の文化が残る

「金沢のお盆」についてです。

 

一般的なお盆の時期と異なるだけでなく

お墓参りの時には「キリコ」という

灯ろうを持参してお参りに行くのも

金沢唯一の全国的に珍しい風習です。

 

伝統的な「箱キリコ」と

新しいタイプの「板キリコ」に

「風鈴キリコ」・・

 

そして、そのキリコにろうそくの火を灯し

お経を唱える幻想的な「送り火」について

など金沢のお盆に関することをご紹介します。

 

まずはお盆の由来!

 

お盆の正式な呼び名は

「盂蘭盆会(うらぼんえ)」といいます。

 

サンスクリット語の

「ウランバーナ(逆さ吊りにされる苦しみという意味)」

に由来します。

 

子孫から長い間供養をうけていない先祖は

逆さ吊りの苦しみを受けているため

そうした先祖の霊を慰めるため飲食を

与えたのが発祥とされています。

 

 

お盆の時期は?

初めは旧暦(太陰暦)の

7月15日「中元節(ちゅうげんせつ)」に

行われていましたが明治時代に

新暦が採用されるに伴い

「お盆」の期間(の中心)は地域によって

分かれていきました。

 

全国的には「旧盆」と呼ばれる8月15日が

(旧暦の7月15日という事で)主流となっていますが

東京をはじめ、函館、横浜、静岡、金沢市などを

含む一部の旧市街では新暦の7月15日を

「新盆」としてをお盆をむかえる風習があります。

 

実は同じ県内でも「新盆(7月)派」は

金沢市のみで加賀や能登など家庭によって

石川県のほとんどの地域は「旧盆(8月)派」なのです。

 

キリコとは?

金沢市とその周辺では

お盆に墓参りをするときに

「キリコ」と呼ばれる木と紙でできた

箱のようなものを持参し中にろうそくを立てて

墓の前につるす風習があります。

 

先祖の迎え火を保護するために

使われるようになったともいわれますが、

キリコの由来に明確な説はありません。

 

キリコの表面には持参した人の名前を

記入する部分があり、誰が墓参りに来たのかが

分かるようになっています。

 

キリコには明確な説はありませんが

重要な役割を果たします。

それは最終日に行われる「送り火」です。

 

金沢市内の東山界隈にある日蓮宗のお寺では

お施餓鬼法要が終わったあと

墓地のキリコすべてに蝋燭の灯を点し

鉢と銅鑼を鳴らしながら

読経・行道し、精霊を送りというものをします。

 

その光景は幻想的でありながら

ろうそくの灯がちらちらと見え儚くも感じます。

 

金沢独自のお盆文化は

いかがでしたでしょうか?

 

もうすぐ金沢はお盆の時期を迎えます。

機会があれば是非キリコを探してみて下さい。